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study concept

せん妄(delirium)は、医学史の中でも最も古くから知られる精神症状の1つで(Berrios GE, 1981)、ローマ時代にはAulus Cornelius Celsus(アウルス・コルネリウス・ケルスス。B.C.25年~A.C.50年ころ)の「De Medicina」に、頭部外傷や発熱による精神障害を表す言葉として登場します。
 

 近年では、国際せん妄学会連合 (iDelirium)が設立され(2015年)、2016年には、World Delirium Awareness Day (WADA)として第1回世界せん妄啓発日が設けられるなどhttps://www.deliriumday.com/、世界中でせん妄に関して関心が高まっています。

せん妄の研究

 Pumedhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/で「delirium」と検索すると、2023年12月1日時点で、24,627本の論文がヒットします。

 

 古いものはAndrew Chrichtonの「History of a Case of Cynanche, Attended with Symptoms of a High Degree of Putrescency, Where a Favourable Crisis Succeeded a Paroxysm of Furious Delirium」(Chrichton A, Ann Med (Edinb), 1796)が見つかります。

また、「history of delirium」で検索しますと、W R Shapterの「Dr. Shapter, on a Case of Delirium」(W R Shapter, Med Phys J. 1800)や、John Wareの「Remarks on the History and Treatment of Delirium Tremens」(John Ware, Lond Med Phys J. 1832)もあります。

 

 このように、せん妄は、18世紀末ないし19世紀初頭から研究実績が残されています

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面会

せん妄と医療安全

わが国で医療界をあげて医療安全に取り組んだ歴史は深くありません。しかも、従来は、発生した事故に対して個別に対策を講ずることが多く、多発するインシデントに対してメタ的に対策を講ずることは必ずしも多くありませんでした。

 

病院内では、ルート抜去、転倒/転落、徘徊、興奮、暴言/暴力などが、incident accident reportに多く報告されています。近年では、これらの事象の相当数が、せん妄に起因する可能性が指摘されています。

​厚生労働省も、せん妄対策に力を入れておりし、令和2(2022)年4月より、1入院につき、せん妄ハイリスクケア加算がつきました。

そこで、本研究会では、せん妄から見た医療安全について、さまざまな専門家からの知見を学び、わが国の医療安全の新たな礎を築こうと期待しています。

 

会員の皆様のみならず、勤務先の医療安全担当者等のご来場も大歓迎です。

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